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クロウ・クルーウァッハ Crom-Cruach >>関連項目一覧


別名ケン・クルーウァッハCenn-Crúaichとも(丘の王の意)。ケルト神話、アルスター南部で崇拝された神。 クロウは「輪」「三日月」の意、クルーウァッハは「山、積み重ね、塚」の意。

力と戦を司り、生け贄を求め、祈りを捧げれば戦に効果があり豊作も約束されたという。悪龍、蛇の神であるともいう。

資料に乏しいようでよくわかっていないようだが、一説ではモイトゥラの戦いでドルイドのケーサルCesarが生け贄をささげ召喚したが ヌァザ(ヌァダ)に撃退され、その後バロールが再び召喚し嵐と黒い霧まとった角・牙・かぎ爪を持った巨大な竜の姿で、光の剣で突入してきたヌァザと 戦った。ヌァザの3人の妃バイヴ・カハも戦車で駆けつけたがクロウ・クルーウァッハの爪でマッハとネヴァンが死んだ。
(モリーアンは生き残った。ヌァザ、マッハとネヴァンはバロールの眼光で死んだともいう)

ヌァザもクラウソラスで切り裂くが、死なない上に、どろどろになったままヌァザを包み込んで殺したという。

実際の祭祀の名残が「崇拝の野Mag Slecht」という地名に残っている。他の記録では姿はよくわからないが、 クロウ・クルーウァッハの像は金銀で造られ、像の周りに青銅で装飾された12体の石像が並べられていたという。 生け贄は初子、あるいは子供の3分の1を捧げたという。5世紀頃、キリスト教を伝えた聖パトリックに像が引き倒されたが、 その時、像は一撃をよけようとしたとも伝えられる。

ガリア戦記には人間・動物が焼かれて供えられた像は蛇に似ていたと記されていて近似のものと考えられそうである。 (*ジム・フィッツパトリック)
カルヌーン神とともに描かれる羊頭の角のある蛇も近似のものだと考えられるようだ。

 
関連項目一覧
ケルト 【文化地域項目】
ヌァダ 【ケルト:神】

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