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ダマスカス剣 damascus sword >>関連項目一覧


ダマスカス刀、ダマスク剣とも。ヨーロッパ・アジアの伝承。ダマスカス剣は歴史的に7世紀頃から ダマスクス鋼(ウーツ鋼)で 造られた刀剣。中央アジアの民話などにも勇者の武器として登場するほどの名剣。 鎧に切りつけても刃こぼれしない刃先のすぐれた刃金でできている。

十字軍の時代にヨーロッパにもたらされ、18世紀頃まで使われたようだ。シリアのダマスカス港からヨーロッパへ輸出されたが 実際にはイラン(ペルシャ)、インドなどで作られた剣がダマスカスに集荷されたもの。

表面に水面のように浮かび上がる刃紋がダマスカス剣の特徴だが、これは硬度の異なる鉄を組合わせて造られているため で、刀身を磨き上げたあと、ライム果汁または亜砒酸溶液を塗り腐触させると、腐触の 程度に差があり、板目・杢目・柾目などが鮮やかに出現する。

ウーツ鋼は日本の玉鋼にならぶような優れた鋼で、インドで造られ、陸路ではウイグル商人が、海路では アラブ商人がダマスカスへ運んだようだ。伝承的に神秘化され幻の鋼といわれた部分もあるらしい。
インドはバビロニアなどの影響を受け古来より製鉄技術があり、 ウーツ鋼は山地のサレム、西海岸のクチュ、マイソール、ラホールなどで造られていたらしい。
製造方法は、粗ルッペ(粗雑な粒状の還元鉄)を原料に小形ピレット に鍛造し、10個ほどに小さく切断、粘土・籾殻・木炭で作ったルツボ に加炭剤を加え詰め込み、小さな炉に燃料と一緒にいれ、革製のふいごで 6時間精錬して鋳鋼ができる。


参考資料
・切れ味 日本刀
・鉄の文化 (窪田蔵郎:著 )
--鉄の歴史 (ベック著)
・日本大百科全書 (執筆者: 小学館)



 
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