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デウス・エクス・マキナ deus ex machina >>関連項目一覧


古代ギリシャ(ヘレネス)でtheos ek mekhanes、英語でdeus ex machinaデウス・エクス・マキナ(直訳では「機械仕掛けの神」) という演劇用語、舞台装置、演出。 古代ギリシャ劇の終幕で、上方から機械仕掛けで舞台に降り、紛糾した事態を円満に収拾する神の役割。 転じて、作為的な大団円のことをいう。
これがでてくれば全てが解決するというご都合主義の権化といえようか。

デウスはラテン語で「神」を意味する語。ギリシャ語のテオスtheosと同義。元々は多神教の神を指したが、 キリスト教化に伴い唯一神のことを指すのにも使われた。

より詳細には、元はエウリピデスの案出した技法で、実際に仕掛けを用いて、神に扮する俳優をギリシアの劇場の 舞台上方の屋根の上に出現させた。出現した神は劇中において、将来の成り行きを語ったり、 人々の対立を調停する役割を果たした。
しかしドラマの有機的な展開を重んずるアリストテレスやホラティウスの批判を受け、 、ほとんど悪い意味で語られるようだ。
この語義は拡張、転じて解釈され、神が登場しなくとも、 また機械仕掛けが用いられなくとも、有機的な展開とは無関係な偶然的要因によって物語に決着をつける便宜的な技法は、 この名でよばれるという。ご都合主義的なものの代名詞といえるようだ。
この概念の拡張は実際の作例のうえでもみいだせ、アリストファネスはこの技法を 戯画化していた。偶然の要因による決着の技法として、古代の新喜劇や、近世ではモリエールが好んで用いていた。

余談だが、アップルシードの監督と士郎正宗による映画「エクスマキナ」やアスラクラインにおける機体「アスラマキナ」 スクウェアエニックスのゲーム「デウスエクス Deus Ex」などこの言葉に関連した作品が近年多く見られる。

参考資料
・日本大百科全書 (執筆者:佐々木健一 小学館)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY

 
 
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