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コルタ・サーミ民族の神話・民話 Kolttasäämelaiset(英語Skolt Sámiスコルトサーミ)>>関連項目一覧


コルタ・サーミ民族は北欧・北極圏の少数民族でトナカイ遊牧を生業としている。 コルタで「トナカイ遊牧民」を「ポロミエス(poromiesスオミ語)」と呼ぶ。ポロはトナカイの意。 「極北の青い闇から ラップ人と暮らした記録」(小野寺誠 日本放送出版協会)の著者が訪れた時、 あるいは以前からコルタ・サーミの人々にはスオミ語も浸透していたようだ。※後記コルタの言葉を参照。
※この本には「トナカイを狩る」とあったが遊牧民であり家畜なので不適当。誤認か。トナカイを食用で売るのは近代化のせいか。


元々コルタは現ロシア領ペツサモ地方に居住していたが、第二次世界大戦後、居住地域が他国領になってしまったので 一部がスオミ・セベッテヤルビ(またはネッリム等)に移住したという。 現在セベッテヤルビに居住するコルタは約600人程だという。
現在ではイナリInari地域がコルタ・サーミの人々が暮らす地域とされている。

サーミ民族全体では、スカンジナビア半島、北極圏からロシア領コラ半島に約4万5千人いるようだ(20世紀後半)。 そのうちノルウェーに2万5千、フィンランド4千、コルタは600人弱。
山岳サーミの中心地ノルウェーのカウトケノイからカラショク地方のサーミ(サーメ)、ルイヤというらしい。

ペツサモ地方は最もキリスト教の布教が遅かった地域であったこともあり(あるいはロシア正教が異教の習俗に厳しくなかったか)、 コルタには伝統的宗教の習慣も残るようだ。またコルタなど東側のサーミの文化にはスラヴの影響がみえるらしい。西側とは習俗に差異がみられるという。

古代コルタ族は2m以上の巨人だったという伝説もあるらしい。 また、熊を守り神と考え、また先祖が熊であったという伝承もある。熊に対しての信仰心があり、殺すこと好まない。 他の民族から、コルタの男性は性質の悪い魔法使いで善良な人を狼に変えることができ、その人狼はトナカイをかみ殺す、と言われる。




項目編集協力:saamelainen氏
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参考文献:「極北の青い闇から ラップ人と暮らした記録」(小野寺誠 日本放送出版協会)
参考サイト:Siida - Saamjie'llem(サーミ語・英語)


コルタの人々の言葉:覚書(※コルタもしくはスオミ語)

フオメンタ(おはよう)
オイケアタルビ(正しい冬の意。寒波の襲来?本格的な冬の寒さか)
テケータルビ(冬が作られつつある)
プーコ コルタの人々が使う短刀
ユマラ 祈りの言葉
ポロミエス トナカイ遊牧民
ポロ トナカイ
ポロエロトス トナカイ狩り
ヨイカ 民謡
カレホンカ フィンランド、セベッテヤルビ地方の立ったまま枯死した松の巨木
イソ 大きい偉大な
アハマ 穴熊
チルック トナカイ狩猟犬 黒犬好む
サハ のこぎり
キッピス 乾杯
プオルッカ(こけ桃) ジャムにする
ペスキ 伝統的な毛皮のコート
チャールフ えりまき


 
関連項目一覧
北ヨーロッパ北極圏先住民族 【文化地域項目】
セイデ 【コルタ・サーミ:神】

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