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死海文書(死海写本) Dead Sea Scrolls >>関連項目一覧


ユダヤ、キリスト教の古文書、古写本。1947年以来、死海西岸の洞窟や廃墟から発見された文書の総称。
古代遺跡キルベト・クムランの住人たち(ユダヤ教の一分派エッセネ派の宗団と思われる)が製作したものなので、 クムラン文書とも呼ばれる。
多くはユダヤ教の一派クムラン教団に関係ある写本類で、旧約聖書のほか同 教団の諸規則を含み、イエス時代のユダヤ教を知る貴重な資料といわれる。
7巻の羊皮紙巻物が洞窟内から発見されたのが最初で、 その後の捜査でも銅板巻物を含む多くの文書(総数800点、200点が聖書関連という)が出土し、主要なものはエルサレムのイスラエル博物館の「聖書館」に収蔵展示されている。

巻物は元来、蓋付き円筒形土器に収められていた。羊皮紙やパピルスの場合はインクで書かれ、銅板には字が彫り付けられた。 言語はヘブライ語楷書が主で、ほかにアラム語も用いられていた。年代は紀元前BC2世紀から前BC40年にわたるという。 エステル記を除く旧約聖書の最古の写本がみられる。また、クムラン教団の戒律、思想、聖書解釈を記した巻もある。

クムラン教団はBC130年ころ「義の教師」という人物に創設されたという。フィロン、エセフス、大プリニウスらの古代文献にみられる。

厳密にはキリスト教の文献ではないが思想、制度が原始キリスト教との共通点があるとの指摘がるという。 バプテスマのヨハネやイエスがクムラン教団に所属していたという仮説もあるという。 死海文書の一部をヴァチカンが秘匿しているというミステリーはメディアが好む風聞であるようだ。

 
関連項目一覧
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