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海神オロクンの贈り物●関連項目一覧●

(西アフリカ・ナイジェリア・ヨルバ民族)

昔、大飢饉があった時、アジャイという男が食べ物を求め旅に出て、川に突き出したパーム椰子を見つけた。喜んで実を取ろうとしたが実は水面に落ちてしまった。流される実を追って、川岸を走り、海に出た実を泳いで追いかけた。もう少しで手が届く所で水中に沈んでいった実をさらに追うと、水中の宮殿に立っている自分に気づいた。

海の神オロクンは宮殿へ来た理由を聞き「ここにいれば食べ物の心配はない」と言う。しかし、アジャイは家族が飢えに苦しんでいると訴えた。オロクンは奇妙な形のスプーンをアジャイに渡した。スプーンに「お前の務めは何か」と訊ねるだけで、もう飢えることはなくなるといった。

家族の元へ帰ったアジャイは、スプーンの出す食べ物を家族に十分与えたあと、王のもとへ行き、国中の人間、動物に食べ物を与えることを申し出た。

一匹の亀がスプーンの話を聞き、頼んでスプーンからパーム椰子の実を出してもらい、川に投げ込んだ。アジャイと同じく、どこまでも追っていった。

予想通り、オロクン神の宮殿に着いた亀は、アジャイから聞いた話を繰り返し答えた。亀にはスプーンでなく鞭が与えられ、オロクンに「役に立つはずだ」と言われた。

亀は家に帰り、人目につかぬよう、戸に鍵をかけ「お前の務めは何か?」と鞭に訊ねる。鞭は「ぶちのめすことだ!」と返事をし、鍵をかけた家の中で逃げることもできない亀と家族を激しく打った。

腹いせに亀は、この鞭を王に献上した。亀と同じように、王や大臣達が鞭にぶちのめされる姿を、亀は隠れながら見ていて笑ったが、鞭の動きが鎮まった後、引き摺り出されて袋叩きになった。

 

関連項目一覧
ヨルバ民族の物語 【文化地域項目】
3つの贈り物の類話 【類話項目】
オロクン 【辞典】

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