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バイプ(ジャガー) >>関連項目一覧


南アメリカ中部パラグアイのアチェ民族(グアキヤ民族)の伝承におけるジャガー。神話的魔物としても語られる。
ジャガーは中・南アメリカの多くの民族に神話伝承で語られる。

クレイの項でもふれた「見えない霊力の手先」(姿の見えない者たち)としてのジャガー(森の野獣としてではない)は、 恐怖心を与えるものとして、アチェの人たちの関心事の中心を占めているという。

また神話的物語では「青いジャガー、天上のジャガー」が月か太陽を貪り食うことが日食,月食だという。 このとき蜜蝋を火の中に入れる。燃えた蜜蝋から立ち上る煙は天上のジャガーに届き、退散するのだという。 そして世界の終焉はひきのばされるのだという。

子どもの出産の時、父親には霊的ジャガーとの関わりがあるという。子どもの誕生の際には父親は死の運搬者であるジャガーに対し 狩りで獲物をとる、殺すことで「子どもの使者であり霊力を体現しているジャガー」に父親の存在を認めさせなければ生き残れないらしい。
父親は分娩の際は、小屋から離れる、見ないなど禁忌があったり、狩りにいき獲物をとるなどの行為が課せられるらしい。
うまくいかない場合ティムポという蔓植物で清められたり、次のようにいう者もいた。
「アイ・ミタ・タタペ・ジョノ・バイプ・イアン・ヴワン」
(火の中に蜂蜜を入れるのだ、ジャガーがいなくなるように)

参考資料
・グアキヤ年代記 (ピエール・クラストル著 毬藻充:訳 現代企画室)

 
関連項目一覧
アメリカ先住民族 【文化地域項目】
パラグアイ 【文化地域項目】
日食(日蝕) 【大項目】
月食(月蝕) 【大項目:月】

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