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ビンボウガミ 貧乏神 びんぼうがみ(びんぼふがみ) >>関連項目一覧


日本の伝承。人にとりついて貧乏にさせるという神。昔は「びんぼふ」と書いた。
また、貧乏をもたらす人のことを、たとえていう。(貧乏くじを引くということばもあるが…)
他に、相撲で、十両の筆頭力士の称だという。 給金は十両でありながら、 幕内力士とも取り組まされるからだという。

日本の「貧乏神」は、近世の随筆類から現れ始めた都市的な俗信であるという。
家に居着いてその家を貧乏にさせるという。
咄本 内閣文庫本醒睡笑
歌舞伎 黒手組曲輪達引
などにみえる。当時のニュアンスを読んで確認したい。

乞食坊主のような汚い姿をしており、 顔は青黒く、目は落ち込んで、体はやせているともいう。 老いさらばえて色青ざめているとも。
破れた渋団扇(うちわ)を持って悲しそうな姿、であらわれるらしい。


このあたりは、中国古典に出てくる北斗や南斗の神等が貧しい身なりをしている事とも共通 するだろうか。しかし「貧しさをもたらす神」なのだから当然なのかもしれない。

渋団扇(うちわ)に貧乏神がつく、貧乏神は焼きみそのにおいを好む、 いろりの火種を絶やすと貧乏神が出る、などの俗信があるようだ。
焼きみそを川に流して貧乏神を送り出す作法もあるという。

類似したものに「疫病神」もある。疫病を流行させるという神だが やっかいごとをもちこんだ人間を「とんだ疫病神だよ!」などということもあり、 不利益をもたらしたものに「この貧乏神が!」などというのに似る。

「貧乏神」は漢語と やまとことば の組み合わせであり、近世からの伝承というのもうなずける。 漢語には「貧乏神」という語はないようだ。
漢語の貧乏pinfaは、まずしい、とぼしい、不足している、いやらしい、うるさい等の意味。
中国・漢語では貧乏神は「窮鬼quiong gui」である。窮(&#xu7A77;)は貧乏、貧しい、極点に達する等の意味。



マンガ作品「貧乏神が!」の影響で中国語圏でも貧乏神表記がでて困るw。(窮神)という語がみられる。
2012年アニメ化もされた。俗信の貧乏神とはだいぶ違うw
桃太郎電鉄のキングボンビーも貧乏神をモチーフにしている。



参考文献
・古語辞典 (旺文社)
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・貧乏神が!
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・大辞林 第二版
・現代中日辞典 増訂版(光生館)

 
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