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トクセイレイ 徳政令 とくせいれい >>関連項目一覧


「徳政」とは 徳のある政治のことで、免税・大赦などの目立った恩恵を施す政治、仁政をいう。
「天変地妖などの異常現象は君主の不徳によって生ずるもの」とする考えから、 それらの災害を除くために、大赦、免税、施物、貧窮者の債務免除などの 際だった仁政、善政、仁徳ある政治を行なうこと。

しかし、日本では鎌倉幕府の行った「徳政令」によって 貸借・売買契約の破棄のことをいうようになった。 鎌倉幕府は御家人が質入れ、売却などで失った所領を回復させるため、しばしば徳政令を発布し、 債権を帳消しにした。
「徳政令」はすでに締結されている売買・貸借・寄進などの契約について、無条件で、もしくは条件を付して、 契約関係の継続、もしくは破棄を宣言する法令。

特に鎌倉時代では、仏神事と雑訴の興行がその二大篇目になっていた。
中世ではもっぱら貸借、売買の無効、破棄を意味するようになり、室町時代までみられた。


ユーラシア文化圏では、明文・不文の別はあっても大集団の統治統制に法治社会を形成したが、 これも未発達ながら、法律や文書によってなされた行為である。 武家による封建的支配社会であっても、まったくの問答無用で売却財産の無償取り戻しを行うのではなく、 徳政文言(とくせいもんごん)などの契約特記事項のようなものや、法令の発布といった体裁をとったのは面白い。
支配階級といえど、被支配階級のおこなった経済活動にある程度の実効力を認めているからこそ、このような体裁をとった ともいえるだろうか。
これを前例に公家や大名などによっても徳政が行われたり、徳政を求める一揆から行われることもあった。





参考資料
・日本大百科全書 (執筆者:酒井紀美 小学館)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・日本国語大辞典 (ジャパンナレッジ)
・国史大辞典 (ジャパンナレッジ)


 
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