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デア・フライシュッツ Der Freischötz (魔弾の射手) [魔弾 フライクーゲル Freikugel] >>関連項目一覧
ゲルマン、ドイツの民話伝承。古語で「schötz」は射手。「kugel」は球、弾丸のこと。
「frei」は自由な、無制限の、自由に動く、の意味。
魔弾フライクーゲルは「自由に動く弾」の意味か。悪魔の力によって必ず当たる弾だという。
英語ではMagic bullet マジック・バレット。
18世紀の初頭に語られた民話、幽霊物語。
これをもとにしたオペラ歌劇「魔弾の射手」(ウェーバー作曲)が知られる。
1600年代以降、マスケット銃が2000年代のスマートフォンのように一世風靡していたので
1700年代にはこのような銃の弾にまつわる伝説物語もできたのだろう。
さらにペニシリンなどの抗生物質が研究、発見された時、今までと違う強い効力に「魔法の弾丸」と
呼称された。
1700年代初頭、印刷された物語が世にでた。
最初のものはボヘミアに住むゲオルク・シュミット19歳が主人公。地方の書記官だが、狩り好きで
その腕で名声を得たいと思い、百発百中の魔法の弾丸を求めた。森の狩人は、
魔法の弾の何発かは悪魔のものとなってしまうと言ったがシュミットは狩人と二人で
魔法の弾を鋳造した。森の奥深くで魔法円に入り裸になり神を否定する儀式を行い1発つくるごとに
怪しい物事がおきるが決して口をきいてはならないという決まりをまもり、1時間に63発の魔弾を造った。
出来上がると黒い装束の騎士があらわれ、その中の3発は私のものだ、とのべた。
シュミットは疲労で力尽き失神した。狩人が魔弾を全て持ち逃げした上、保護されたシュミットが
いきさつを説明するはめとなり、悪魔との取引には死刑を言い渡された(若さゆえ減刑された)。
ボヘミアで実際にあった裁判をもとにしているという。
もうひとつの物語があり、ヴィルヘルムという若者が恋人の娘と結婚する条件に銃の腕前を披露しなくてはならず、友人から
数発の魔弾をもらい試射すると銃の射程外でも命中する威力に驚き、
悪魔の力が宿った魔弾63発を鋳造する。黒騎士があらわれ3発は自分のものだと言う。
射撃大会で目標を射撃すると、弾は娘の心臓を撃ち抜いた。
黒騎士があらわれ「3発は私のものだ」と言った。ヴィルヘルムは気がおかしくなって哀れな一生を過ごしたという。
オペラ『魔弾の射手』では弾は7発になっていて、背教者の男が主人公マックスをうまくさそって魔弾をつくるが、
森の魔王のいけにえは主人公にかぶせる腹だった。しかし主人公の恋人は隠者のくれた白いバラを胸につけていたので
マックスの撃った弾はそれて背教者カスパールにあたって彼は死んだ。(カスパールはいけにえはマックスの分になるよう
自分の弾は先に全部使っていた)
なおドイツ製の8トンハーフトラックに「フライクーゲル(魔弾)」がある。
参考資料
・
聖剣伝説II (Truth In Fantasy) (新紀元社)
・
現代独和辞典 (ロベルト・シンチンゲル 三修社)
・和独 (三修社)
・
大発明・発見の歴史 世界の発明発見物語
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