幻想世界神話辞典 〜
文化地域項目〜
大項目〜
リンク集〜
掲示板
〜
辞典TOP〜
アラジン Aladdin >>関連項目一覧『千夜一夜物語』(アラビアン・ナイト)の「アラジンと魔法のランプ」の物語でしられる主人公の少年、青年。 名前は「信仰(アル・ディン)[心?]の高さ」「栄光(アラ)」といった意味だという。 発音は「アラーッディーン」になるようだ。 物語ではシナの都に住んでいて、父がなくなり母が苦労して食べさせているようだ。 冒頭「ろくでなし」といわれている。 ちなみに仕立て屋の父は、怠け者のアラジンに絶望して死んでしまった感じである。 父の弟で叔父だというニセ者の親戚があらわれるが、これはアフリカ、マグレブ人の魔術師で、 彼は、望みが何でもかなう魔法のランプが、ある穴倉の宝物庫にあり、それをとりだせるのは アラジンだけなのだということを魔術で知った。 そこで、アラジンにとってこさせて奪い取ろうと考えていた。 ウソの話、お金、立派な服など与え、商人にしてやろうなどと、いろいろ言いくるめ、 地下の宝物の中へアラジンを向かわせた。 アラジンは欲張っていろんな財宝をつめこんだため、 魔術師に「ランプを渡せ」といわれたが、一番奥なので「渡せない」と押し問答になり、 業を煮やした魔術師が目的をはたさないままアラジン地下に閉じ込めてしまった。 しかし、アラジンは魔術師から安全のためといわれて持たされた魔法の指輪により、 あらわれた指輪の精に助けられ、ランプを手に入れた。 ランプの精の力で様々なものを手に入れたり、アラジンが生きていることを知った魔術師にランプを奪われたりしたが 、最後はランプを取り戻し魔術師は死んだ。そして美人のお姫様(バドル・アル・ブズル姫)と結婚し、王位もついで幸せに暮らした。 なお魔術師を倒すため、アラジンは香料市で、たちどころに人を眠らす不思議な麻酔剤(バミング)を2ドラクムの量を2ディナールで買い。 これを姫によってワインに入れて一服もったのだった。 また、物語り序盤で、宰相の息子が姫と結婚しようとする際、夜にランプの精に息子を連れ去らせ便所でひどい目にあわせ、 アラジンは姫との間に偃月刀を置いて添い寝するという場面がある。 古い形のAladdinが 発音をよく示しているという。 日本では「アラジン」という表記が一般化している。 アラジンの名前は「千夜一夜物語 第249夜 第250夜にでてきている」とバートン版の原注にある。 「イギリスでは日常言いなれた言葉」とあるのは当時の物語の人気を言ったものか。 ・アラジンの綴り バートン版の原注では 「東洋人はこれを5通りに綴る」 1.'Ala al-Din 2.'Ala yadin 3.'Alah Din (ヒンズスタン語訳) 4.'Alaa al-Din 4.だけ文法にかなっているという 原注の見出しでは「Alaeddin」 「パリ写本 'Ali al-Din は間違いだ」とも 一般の辞書でみるのは「Aladdin」バートンによれば発音通りだという。 他、‘Alā' al-dīn w'alqindīl al-mashūr 等 「アラジンと魔法のランプ」と書かれるが、もとの題は 「アラジンと不思議なランプ」、「アラジン、または不思議なランプ」などである。 この物語は『千夜一夜物語』のアラビア語原典になく、後に写本などで別の物語が挿入されたのだろうともいわれる。 (バートン版の原注では、アラジン物語はパンディト・ナティサ・シャストリ Pandit Natisa Shastri編の「ドラビダ夜話」Dravidian Nights Entertainments [Madara Kamara-Sankadai マドラス 1868年]) (原典の所在不明のため、ガラン自身の創作ともいわれたが、 19c世紀末、ゾータンベール H.Zotenbergがパリの国立図書館で2種の写本を発見した[ 1703年のバグダード写本を1887年に出版]。これの第二話に原始的な形で出ているという) アラジンは昔から人気があり、19世紀初めのヨーロッパで、 舞台の人気者で、 フランスの舞台に紹介したエティエンヌのオペラや、 テオロンの『小さな鐘』、 スクリープとメルスヴィルの共作『小さなランプ』 などのほか、 メルル Merle、カルトゥシュ、サンティヌなどの作品がしられるようだ。 ディズニーのアニメ作品の「アラジン」などでもわかるが、21世紀になってもヨーロッパ人には本当に人気があるようだ。 余談だが、2012年アニメ化もしたコミック作品「マギ」は、主人公「アラジン」や「アリババ」「モルジアナ」(モルギアナ)などの キャラや、舞台も西アジアや中国などアラビアン・ナイトの雰囲気で描かれているようだ。 参考資料 ・ 千夜一夜物語〈第8〉―バートン版 (1967年) ・日本大百科全書 (執筆者: 小学館) ・大辞泉 (JapanKnowledge) 関連項目一覧
●このページのトップへ● (C) Copyright Masahiro Aibara |