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タツノオトシゴ たつのおとしご 龍落子,竜の落子 >>関連項目一覧


タツノオトシゴ seahorse 海馬(かいば)とも。英語名もシーホースseahorse。日本の伝承と結びついた魚。薬(漢方薬他)や安産のお守りになるという。 乾燥しても体形が崩れないので飾り物にされている。みやげ物にもなっているようだ。
全体の形が想像上の動物の竜に似ていることからこの名があるという。
馬(の頭)に似た、魚らしくない姿が、「龍」や馬に関連した名前のもとになっている。
また、オスが腹部の育児嚢で雌から卵を受け、孵化するまで保護する生態から安産のお守りにされるという。
直立姿勢で泳ぐ、尾を海藻に巻きつけて止まるなど変わった生態がユニーク。
リュウグウノツカイもそうだが、やはり竜王の宮が海中にあるという伝承も影響しているだろう。

『重訂本草綱目啓蒙』四〇・魚に「海馬 (略) たつのおとしご 佐州 たつのおろしご 同上 りうぐうのをば」とある。

『山槐記(さんかいき)』には、平清盛の献じた薬箱に海馬六尾が入っていたという記録がある。
安産の御守りと思われる。古くから、妊婦が手に持ったり、袋に収めて腰につけると、 お産が軽くなると信じられていた。

異称については
龍の駒(こま)
うみうま
うまうお
ウマイオ(高知)
ウマノコ(高知)
ウマ(西日本)
ウマノカオ(富山)
リュウグウノコマ(和歌山)
リュウノコ(神奈川)


生物学的には、 硬骨魚綱ヨウジウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ亜科Hippocampinaeの海水魚の総称。全長18センチ以下の 小形魚。世界で1属約30種が知られ、日本では、タカクラタツ、オオウミウマ、イバラタツ、サンゴタツ、 エンシュウタツ、タツノオトシゴの1属6種が知られる。 稚魚とともに卵殻などを絞り出す。この仲間は、 タツノオトシゴHippocampus coronatusは、日本各地から朝鮮半島南部に分布する。 体長8、9cmほど。

干支獣、干支の動物をあつかうイベントなどで、辰(たつ)は実在しないので、タツノオトシゴが辰年の動物として でてくることがある。

参考文献
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
・日本大百科全書 (執筆者: 小学館)

 
関連項目一覧
日本 【文化地域項目】
竜、ドラゴン 【大項目】

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