幻想世界神話辞典 〜
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ワタリガラス 渡り烏 (英語レイヴン raven 大鴉) >>関連項目一覧日本語名ワタリガラス、ヨーロッパではレイヴンravenの名称で知られるカラスの一種。 大型で体長65cmほどになる。日本には北海道に渡り鳥としてみられるのでこの名前になっている。 基本的には日本で普通にみるハシボソ、ハシブトガラスと大きくは違わない。 賢い鳥である。集団での狩り、餌の与え合い、遊戯飛行、遊戯行動がみられるようだ。 神話伝承において、このカラスが通常のカラスと認知されるユーラシアと北米の地域では 他の地域のカラス同様、太陽との関連性、黒い姿の成立説話、知恵もの、あるいは悪役として など神話物語などで活躍する。 大きく特徴的なのは、シベリアと北米太平洋北西海岸先住民族に共通するトリックスターとしての 神格である。 この地域では、非常に長距離をカリブーなどと一緒に移動する。 狼が餌食にした後の死肉にありつくためである。 また人間の生活圏でゴミなどから餌にありつく。 その他、ケルトやゲルマン・北欧神話でも戦争に関連する神・女神として登場する。 北海道地域のアイヌの神話でもカラスは登場するが、 ワタリガラスが特別に認識されているか、いたかは不明。 ファンタジー作品で1960-80年代などの訳されたものではレイベンなどの表記もある。 造物主ワタリガラス神話は古アジア諸族に属する民族にみられ何らかの歴史的類縁の推論あり。 (コリヤーク、チュクチ、そして北西海岸インディアンで特に重要な役割)。 カナダ、グリーンランドでは登場はするが創世ではない。 カナダ・グリーンランド カナダ先住民 クワキウトゥル民族 「グワグワクワラヌークシウェイ」gwagwakhwalanooksiwey 人食い鳥。ワタリガラス精の変身。 ホクホクとも。最北の地の食人鳥バクバクワカノオクシワエは最後にこの鳥に変身する。 この偶像は儀式において重要な役割を持つという 西グリーンランド イヌイット tulvaq , tulugaq ワタリガラス アラスカ イヌイット(旧称エスキモー) ユッピック民族 ワタリガラスの創世神話 北アメリカ先住民族(旧称インディアン) ハイダ民族 トリンギット民族 コユーコン・アサバスカン民族 始祖神話、獲物与えてくれる存在 「Tseekiaat,Sist' anohaattee'oyh」スイアカー シスイストウアノアヒ (おじいさん 私に獲物を落として下さい)」 鳴き声「ガーガ、ガーガ」は民族の言葉で「動物、動物」となる。 北米北西海岸先住民族(旧称インディアン) シベリア 北東部寄り コリャーク民族「ワタリガラスのヴェルヴィムティルン」 「クイクンニャーク」と呼ぶ。始祖神話あり。 チュクチ民族 でも重要視か イテリメン民族 で特に重要な位置づけとの説あり 西部ウラル方面 マンシ「大地の大きさをはかったワタリガラス」 (バビロニア、地中海方面、北欧などカラスや鳩などが船に載せられ、陸地を探すことに使われた。 実際に用いられ、また神話伝承にも残る) 人食い鳥としている伝承があるが 「人を食ったので黒くなった」という説話が他の地域にもある。 やはり人の死肉を喰うというインパクトは強いようだ。 そのせいか、死の予兆、兆しとしてのワタリガラス(またはその他のカラス)として受け取られる 余談だが、レイヴンは『東京レイヴンズ』のタイトルで、また『ZOIDE ゾイド』『テイルズオブヴェスペリアTOV』 に登場する人物名などで知られる。また鈴木直人著『パンタクル』等にでてくる魔術師メスロンの使い魔が レイベンという大ガラスである。 参考資料 ・日本大百科全書(小学館) ・大辞泉(JapanKnowledge) 他 関連項目一覧
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