幻想世界神話辞典 〜
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シリウス Sirius 天狼星 Dog star >>関連項目一覧地球から見える恒星で最も強く輝く星。大犬座(Canis Major)の主星、α星。世界各地で神話伝承がみられる。特に西アジア、 地中海世界(ギリシャ、エジプト)、 インド、中国まで「犬星」といった同じ様な扱いをされているのは面白い。ギリシャ神話ではオリオンの犬。 シリウスSiriusはラテン語で意味は「光輝くもの」「焼き焦がすもの」。ギリシャ語セイリオスSeiriosが由来。 古代エジプトではソティス。夏至のころ、ソティスが太陽とともに東天から昇ってくる日を年初(夏至正月)とした(太陽暦の始まり)。 毎年この頃にナイル川の水量が増し始めることを知ったという。「ナイルの星」「イシスの星」として崇められた。 古代西アジア(中東)地域では「太陽の犬星」とよばれた。 (歳差運動(26000年で春分点移動が1周)によりわずかずつずれるので、紀元前3000年頃と現在の夏至とはずれている) 英語では「ドッグスターDog Star」。夏至の頃はこの星にちなみドッグデイズ DOG DAYSといわれる。 古代ギリシアやローマ時代さらに中世ヨーロッパでは、夏の酷暑や熱病などをもたらす不吉な星とされたこともあった。 アラビア名は「輝く星」(アル・シラAl- Shi'raあるいはアル・シァラ・アル・ヤマニアAl-She'ara Al-Yamania)、 中国名は「天狼星(てんろうせい)」。 ホメロスはイリアスの中でシリウスの光をアキレスの鎧の銅色の輝きに なぞらえた。 ギリシア名はオシリスと関係があるとも アラビア名アル・シラ ヘブライ人はエジプト名シホールと呼んだ RHアレンによればフェニキア人ハンナベア(ほえるもの) カルデア人 カク・シシャ(指導する犬星) ドウ・シシャ(指導者) 海の水を量るもの、カクシ[サ]星:バビロニア バビロンの楔形文字でカク・シ・ディと呼ばれた 銅に似た輝きと述べられた カッカブ・リク・ク(バビロニア 犬星 カル・ブ・サ・マス(アッシリア 太陽の犬 ムル・リク・ウド(古いアッカド語 太陽の犬星 インド サンスクリット語 スーリァ(太陽神)輝くもの 古代ヴェーダ チシア チシュトリァ(指揮をとる星) 雨の神、雨の星、猟師の星とも。 リグ・ベーダの中ではシバナム(犬)は「空気の神々を目覚めさせ 雨をもたらすかれらの仕事に呼び寄せる…」 中国 天狼星 アボリジニ 鷲(ワシ) 1700年頃のフランスではシェニール chenille(毛虫)と呼ばれたり、英語ではlittle dog(子犬 ラテン語のcanicula 犬から)と 呼ばれたようだ。 余談だが、日本ではコミック誌「月刊少年シリウス」がある。 都市伝説的な「シリウス文明」というネタもあるらしい。マルセル・グリオールのドゴン神話研究の一部が遠因か。 参考資料 ・ 星百科大事典 (地人書館 1984年) ・日本大百科全書 (執筆者:山崎篤磨 小学館) --桜井邦朋著『星々の宇宙――その現代的入門』(1987・共立出版) --パトリック・ムーア著、岡崎彰・吉岡一男訳『星・物語――100億光年のかなたから』(1992・丸善) --竹内均監修『銀河系の彼方へ――宇宙のなぞを追う最新天文学』(1992・教育社) ・大辞泉 (JapanKnowledge) 関連項目一覧
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