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ユルグ >>関連項目一覧


西アフリカ、ドゴン民族の神話。至高神アンマが創造した女の体状の大地と交わって、大地の胎内から生まれた最初のもの。

大地の上にある蟻塚が性器を表し、白蟻の塚が陰核を表す。アンマが大地と交わろうとして近づくと、白蟻の塚が起き上がって、たちはだかった。このことは自らの男性性を主張することを意味するようだ。アンマはそれをへし折って、大地と交わった。

途中で妨害をうけて、やりなおさなければならなかった不吉な交わりだったため、事物のあるべき性質をあらわす双子ではなく、単独の存在である狐、ユルグが生まれた。創造の過程に生じたつまずき、無秩序を象徴する。

余談だが、正しいやり方で生まれなかった異質なものという点で、日本神話のヒルコを想起させる。また2つで1対のものが事物の秩序性ととらえる点はアジアの陰陽の考え方を思い起こさせる。

 

関連項目一覧
アフリカ 【文化地域項目】
ドゴン民族 【文化地域項目】
ノンモ 【アフリカ:ドゴン民族:精霊】

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