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カナーンの神話 Canaan >>関連項目一覧


カナアン、カナンとも。ローマ人はポエニと呼び、ヘレネス(ギリシャ)語でフェニキア人と呼ばれたが カナーンが自称。この名称は染料に使った貝の名前に由来する、あるいは赤紫の意。この色の衣服を着ていたことによるようだ。 (この染料の色をヘレネス語でphoenixといい、そこからフェニキア人Phoinicesという呼称となり、 そのラテン語形がポエニPoeniである)

古代のシリア、パレスチナ地域の民族。またこの地域の古名でもある。BC2000年頃のエジプトの記録に カナーヌとある。紀元前BC12〜BC13世紀頃から地中海に進出し各地に植民地をつくった。 有名なカルタゴは正しくはカナーン語で カルト・ハダシュ(新しい街の意)という。地中海ではヘレネス、ローマ、カナーン、イマジゲン(ベルベル人)の勢力が争うが、 都市カルト・ハダシュは紀元前BC146年にローマによって滅ぼされた。(その後のカルタゴについてはチュニジアを参照)

カナーン人が交易をする中で、自ら名づけた名称の「ヘブライHebrew」は「(ユーフラテス川の)向こう側からやってきた人々」 という意味で、eber(向こう側)という言葉がもとになっている。

カナーン人に関しては資料が非常に少なかったが、シリアのラス・シャムラから古代カナーン語の楔形文字の粘土板がみつかり、 紀元前BC1400年頃繁栄したカナーン人の都市ウガリットについて多くの資料が得られた。

前述した通り、カナーン人の一部がヘブライ人になり、後にイスラエルを建国する。イスラエル人の祖先は紀元前BC2000年頃、 バビロニアからカナーンの地(パレスチナ)へ移住したらしい。そういうわけで、当然だがユダヤ教の中に、 カナーンの神話との共通点がみられる。例えばヤーヴェとエルの同一視やヤーヴェの居住地とカナーンの 神々の聖地サフォン山の同一視などがあげられる。またエルという神の名は移住前のバビロニアの時からのものらしい。 バビロンBabylon、バベルは神の門の意で、bab(門)、el(神)である。

 
関連項目一覧
バール(バアル) 【カナーン:神】
メルカルト 【カナーン:神】
モート 【カナーン:神:死】
モロク(モレク) 【カナーン:神:死】
ユダヤ 【文化地域項目】
レシェフ 【カナーン(フェニキア)他:疫病神】
レセフ 【カナーン(フェニキア):戦争神】
チュニジア 【文化地域項目:アフリカ,地中海】

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