幻想世界神話辞典 文化地域項目大項目リンク集掲示板辞典TOP

ヒライズミ 平泉 ひらいずみ >>関連項目一覧


日本の歴史伝承。2011年現在、岩手県南部、西磐井(にしいわい)郡平泉町。
奥州藤原氏が栄えたところとして知られる。世界遺産になった中尊寺金色堂などがある。

歴史は古く、 801年(延暦20)、征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の蝦夷征討以来、奥州鎮定の要所の一つ。 その後は安倍頼時(あべのよりとき)が領し、前九年・後三年の役後の1094年(嘉保1)、頼時の外孫 藤原清衡(きよひら)が居館を豊田(とよだ)城(現・奥州市)から平泉に移し 平泉館(たて)とよばれる政庁を構え、奥州・出羽の支配権を確立。
清衡、基衡(もとひら)、秀衡(ひでひら)の3代100年に わたる平泉文化が花開いたが、1189年(文治5) 源頼朝に滅ぼされた。 藤原氏滅亡後は鎌倉御家人の葛西氏らによる支配をへて、江戸時代は仙台藩伊達氏の所領となった。

奥州藤原氏のもと、北方民の物産が多く京まで届けられた。アザラシの皮などは高級品であった。

清衡は中尊寺を、基衡は毛越寺(もうつうじ)を、基衡の妻は観自在王院を、秀衡は無量光院を建立。
建物はほとんど焼失したが、現在 北上川とその支流、衣川、太田川に囲まれた丘陵地と周辺に 中尊寺金色堂(国宝)をはじめ、毛越寺跡・中尊寺境内(特別史跡)、毛越寺庭園(特別名勝)、 無量光院跡(特別史跡)、観自在王院跡、高館(たかだち、衣川館[たち])跡など多くの史跡がある。
毛越寺の延年の舞(えんねんのまい)は重要無形民俗文化財。 太田川上流には坂上田村麻呂にまつわる達谷窟(たっこくのいわや)がある。

近現代は、 1953年(昭和28)町制施行。1955年長島村を合併。 町内中央部を南流する北上川に沿って耕地があり、東部の長島地区ではリンゴ栽培。 西部の丘陵地帯は山林で占められている。JR東北本線、国道4号、342号、 東北自動車道が通じ、平泉前沢インターチェンジ(奥州市)にも近い。 歴史と観光の町であり、毎年5月1〜5日、11月1〜3日には、 町をあげて藤原祭りが行われ、年間の観光客は200万人を超える。
中尊寺讃衡蔵(さんこうぞう)、平泉文化史館、平泉博物館、毛越寺宝物館など歴史資料・文化財を収蔵する施設も多い。
面積63.39平方キロメートル(一部境界未定)、人口8819(2005現在)。

2011年6月に日本独自の浄土世界観を持つものとして、世界文化遺産に登録された。

参考文献
・日本大百科全書 (執筆者:金野静一 小学館)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・エゾの歴史 北の人びとと「日本」 (海保嶺夫:著 講談社学術文庫)

 
関連項目一覧
日本 【文化地域項目】
坂上田村麻呂→黒漆太刀 【日本:武将】

●このページのトップへ●


(C) Copyright Masahiro Aibara