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ミサキ みさき 御先 >>関連項目一覧


日本の伝承、神の降臨の際の先駆け神。使いとして先に立つ位の低い神。しばしば鳥獣の姿(鳥,狐,猿)である。 御先物。 神使いの動物で神意をうかがおうとする俗信であったろうか。
または変死者、非業の死をとげた者の亡霊をいうこともある。御先神(みさきがみ)。
祟り(タタリ)をなすようなものを鎮めるため祀って神とするのは日本ではよくみられる。

または貴人の先に立って道案内をすること、先導するもの。さきばらい、先駆け、先駆、前駆。

神武天皇の東征の際、八咫烏(ヤタガラス)が、みさきとして案内をつとめた。

ひだる神に近いものもいう。関東ではオサキ(御先?)が狐の憑物のこともいう。
柳田國男『みさき神考』「九州の南の端でも、祭りの日に飛んで来て供物を啄んでいく鳥をミサキという村々がある」
また徳島県では川にいって急に疲労を覚えると「川ミサキにつけられた」という。 また「御先風」は現世に心残りしている人の亡魂がおこすという風。あたると病気になるという。

ミサキを変死者の魂をいうことが、特に西日本であるという。
柳田國男『みさき神考』ある地方でのミサキは「人間の非業の死を遂げて、祀り手もないやうな凶魂を意味する」



参考文献
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
・日本を知る小事典4信仰・年中行事 (教養文庫)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・日本大百科全書 (執筆者:宮家 準 小学館)

 
関連項目一覧
日本 【文化地域項目】
ヤタガラス(八咫烏) 【日本:鳥:烏】

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