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ジャンケン じゃんけん janken 料簡法意,両拳 (英語 rps) >>関連項目一覧


由来はよくわかっていないが、世界各地でみられるらしい、手などの動作による遊戯、ゲーム。
にぎり拳(石,岩)、指(鋏,ハサミなど)、ひろげた手(紙)など3通りの形が、それぞれに強い、弱いを持つ関係「三すくみ」 になっていて、同時にかけ声をかけて手をだし勝負を決める。
・石はハサミに勝つ(ハサミで切れない)
・ハサミは紙に勝つ
・紙は石に勝つ(石を包んでしまう)
三すくみ、あるいは四すくみ(井戸が加わる)、五すくみというものもある。数が多くなると勝ち負けの関係が複雑になるものもある。
また、手の形でなく体全体で動物や人物を表現して勝負を決めるものも世界各地にある。日本にも狐拳(きつねけん)、藤八拳(とうはちけん)などがある。 狐拳の例
・狐は庄屋に勝つ(化かす) 頭の上に手で耳をつくる
・猟師(鉄砲)は狐に勝つ 鉄砲を構えるしぐさ
・庄屋は猟師に勝つ(庄屋には頭があがらない) 手を膝のうえにおくしぐさ


以下、日本のジャンケンを中心に記述する。
石拳ともいう。握り拳の「グー」が石をあらわすからか。「じゃんけん」の語源は諸説あり、はっきりしない。 もともと「拳(けん)」という遊びはあったらしい。前述の狐拳(庄屋拳しょうやけん)や虫拳(カエル・蛇・なめくじ)などである。
じゃんけんでは ・グー (石 握り拳 チョキに勝つ)
・チョキ (ハサミ 指二本 パーに勝つ)
・パー (紙 ひろげた手のひら グーに勝つ)


じゃんけんについては、中国から伝わったという説とベトナムの仏教僧から伝わったという説がある。
中国説では江戸期の元禄時代(1688-1704)初期に長崎で伝わったという。(長崎では清との交易が行われ、清国人が滞在していた) 主に大人の宴会の席で遊ばれた、という。
あるいはジャンケンは両拳の中国語音からきたとも。

または仏教の料簡法意が「じゃんけんぽい」のもとだという説もあるようだ(大法輪50・8 久保田正文)。 「法の意思を料簡する」から物事を決めるのに用いた、という。

掛け声は「ジャンケンポン」「ジャンケンホイ」など。
東京付近では「じゃんけんぽん」と掛け声をして出し、もし同じものであるなら 「あいこでしょ」といってやり直す。
鹿児島では「ぽん」ではなく「ほい」だとも。


ほかに亜流・派生の遊びがみられる。
・「足じゃんけん」
( 足の形は、グーは両足をつけて閉じた形、チョキは片足だけで立つ、または足を前後に開く、パーは両足を左右に開く)
「じゃんけんぽん」といいながら 2回片足跳びして、3回めに足じゃんけんの勝ち負けの形をする。
ケンケンパ、という場合も。

・呼称違い
グー・パー・チョキという 呼称から、グリコ・パイン・チョコレートとよぶものも。
累次に グンカン・チョウセン・ハワイというものも。
これはあいこになると「グンカン、グンカン、○○」とあいこになった手を2回くりかえして、3つ目に手をだす、といったやり方。
関西だと、呼称が少し違うらしい。呼称 昭和20年後半には「じゃんけん ほかほか北海道 あいこでアメリカヨーロッパ」というのが流行したらしい。
「じゃんけん じゃがいも さつまいも」というのもあったと記憶する。
・「最初はグー」は「8時だヨ!全員集合」で有名になったとも、同番組で志村けんがやったのが最初だ、ともいわれるようだ。

・両手じゃんけん
他に両手を使った「ジャンケンポイポイどっちひくの こっちひくの」というものもある。
筆者が子供のころは、そのあと「ウルトラマン、シュワッチ!」といって光線技のマネをして同じになったら負けというものもあった。

・「あっちむいてホイ」
有名と思われる亜流遊び。ジャンケンをしたあと勝った方が指で上下左右のいずれかを指し、向いてしまったら負けとなる。

・グーパーじゃんけん
主にグループ、チームわけに用いる。同じ手をだしたものが同じ組みになる。あるいは 「あいこをなくした勝ち抜け」で、少ない方が勝ち残る、というものも。
筆者の地域でのかけ声は「グッパー、ジャス」

・じゃんけんジェンカ
正式な呼び名があるか知らないが、勝ったものが負けたものの後ろで肩に手を置いてつながって、勝ち残りを決める。 なぜかジェンカの曲でやっていた。筆者は小学校の全校大会でおしくも2位になった。



世界のじゃんけん
ジャンケンにあたるような「何かを決めるときに用いるもの」は、欧米などではコインの裏表当て、コイントスが多いようだ。 欧米でのじゃんけんの由来はわりと新しいともいわれるが由来はよくわからないらしい。
アジアでは狐拳に類似したものがみられるようである。
以下各国のジャンケン (手は、上のものが下のものに勝つ順番)


・ドイツ Stein, Papier, die Schere,
グー(石):シュタイン (親指をたてる)
チョキ(はさみ):シエレ
パー(紙):パピア 手のひらは下向き
ブルネン(井戸) グーのにぎりで穴をつくる
(※ずいずいずっころばしなカンジで)
グー→チョキ→パー→ブルネン→グー に勝つが パーはグーにも勝つし、ブルネンはチョキにも勝つ。


・フランス Balance, tapisse, ciseaux
グーのにぎりに穴をつくった「井戸」がある
グー(石)もある(親指をたてる)


・アメリカ Rock, paper, scissors グーは石
チョキはハサミ
パーは紙、あるいはダイナマイト(人さし指1本)の場合も
石、紙、ハサミが基本。
(チョキは人差し指のダイナマイトの導火線を切るので勝ち)


・チェコ
グー(石):カーメン
チョキ(はさみ):ヌーシキ
パー(紙):パピール


・ミャンマー (狐拳タイプ)
上官(両手を腰にあてたえばったカンジ)
鉄砲(両手で鉄砲の構え)
トラ(両手を開いて爪を立て、頭よりたかくかかげた構え)


・モンゴル (5つすくみ)
※それぞれ指を1本だけたてる。
親指 (グーで親指だけたてる)
小指 
くすり指 
中指 
人さし指 




余談だが、AKBブームとなって「AKB選抜じゃんけん」が話題となる。
日本ではジャンケンは子供のころからやる遊びで、サブカル作品などにも多くみられる。ドラゴンボールの「ジャン拳」、 HUNTER×HUNTERの「ジャジャン拳」、ジョジョの奇妙な冒険ではジャンケンのルールがからむスタンドがでてくる。
特撮の「レッドタイガー」には顔が拳の形の「グーチョキパー軍団」がでてくる。

参考資料
・日本大百科全書 (執筆者:丸山久子 小学館)
・くらしの中の仏教語 (山下民城 冬樹社)
・地域新聞
 
関連項目一覧
ゲーム、遊び 【大項目】
日本 【文化地域項目】

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